喫茶店のマスターのプロレス昔ばなし。

50歳を越えた「マニア」まではいかないプロレスファン(特に馬場全日本)の気楽な昔ばなし。話し相手募集中です。

宮崎キッチンカー日記2


(前回からの続きです)


さあ、いよいよ当日!

関係者以外立入禁止の看板の前を係員に誘導されて売り場まで。


遅刻もしなかった。

ソース鍋も大丈夫だった。

次男も手伝いに来てくれた。


完璧である。


FC東京のお偉いさんや、スポーツキャンプ担当の旅行会社の人、スポーツセンターの係員、色んな人が挨拶に来てくれた。固まる柴犬家族。


しかし、その中のスポーツセンター係員の女性が



「あら!この店だったの!ここ、スゴく美味しいのよーー!」と、周りの人達に宣伝してくれ始めた!


どうやら以前、海辺の公園でウチのハンバーグとスパゲティを買ってくれたことがあるらしい。


ああ、まだ始めて三ヶ月なのに、ウチのお店が世間に浸透し始めてるんだ、と幸せな気持ちになり、緊張が少しほぐれる。


さて、肝心のお客さんというと、最初に来てくれたスーツ姿のお偉いさん5人だけ、という状態で3時を回った。


なになに?、メッチャ残ってしまう?

今日の為に新しく炊飯器まで購入してご飯を二升も炊いてきたのに。

五時半には、バスがきて選手は移動してしまう。


あと2時間と少しで残り65人が押し寄せてくるのか、はたまた7時からは、夕食で黒豚の接待を受けるらしいので、こんなキッチンカーの料理など食べてお腹一杯になったら損、と選手の皆さんが判断したのか?

まあ、契約したお金はちゃんと振り込まれるので、損害はないが.....


すると、4時を回った辺りから

本当に残りの65人が押し寄せてきた!!


うおおおおお!!

ユニフォームを着た身体の大きなプロのサッカー選手が次々に注文を!!


しかし!サッカーに疎い柴犬家族、誰一人顔も名前もわからない!!


まさに

”ブタに真珠”

の状態だ。


プロレスラーなら、どんな新人さんでもわかる柴犬家族なんですが.......


外国人選手も来たーー!!

どうしよう!日本語通じるの?


ああ、良かった!後ろに通訳のおじさんが。


通訳のおじさんいわく

「ミートソースハンバーガーのミートソースとマヨネーズ抜きでやってあげて」


ムリだーーー!パンとハンバーグとレタスだけでは、パッサパサなるやん!


それにしても、やけにハンバーガーの注文が多い。

10コの約束で用意していたのだが、あっという間に無くなって、さらに10コ追加!

パンズを多めに持ってきていて良かったよ。


そして、それもなくなり売り切れ!

注文を断られ、ガッカリしている若い選手たちの後ろで、バスに乗り込もうとしていた先輩選手が


「あーあー売り切れ可哀想ー!!ここのハンバーガーメチャクチャ旨いのになーー!!」


と、笑いながら、あおって行った。


どうやら、最初にハンバーガーを注文してくれた選手が、

「凄く美味しいぞ!」

と、言って回ってくれていたらしい。


だからか!!

やけにハンバーガーが人気だと思ったよ!


なので、高校の食堂での

ヤキソバパン争奪戦

みたいになっていたのか!!


プロのサッカー選手といえども、まだ10代後半の選手や、20代前半の選手もいるのだろう。

普通の高校生、大学生に近いものがあるということらしい。

考えてみれば、みんな僕の息子のような歳だもんなあ。


そして、みんな礼儀が正しい!!

「注文お願いします!」


「ありがとうございます!」


「ご馳走様でした!」


「美味しかったです!」


さすがに一流スポーツ選手は、違うなあ!

こんなおじさんオバサンに、深々と頭を下げてくれている。


歴史に残る大プレイヤー、長友選手にも、ハンバーグらいすを食べてもらえたし。

本当にたのしかった!

元気をもらった!


最後に年配のマネージャーの方が、挨拶に来てくれて

「本日は、ありがとうございました、お料理が美味しいと、選手が凄く喜んでいたので、次回のキャンプも是非、お願いできますでしょうか?」


ああ、悩んだり、恐れたりもしたけれど.......

やって良かったーーーーーー!!!!


こんなに達成感のある仕事は、初めてだ!!


FC東京!本当に良い人たち!

サッカー興味なかった柴犬家族が、大ファンになりました!

これからは夜のスポーツニュースでも、FC東京が出てくれば、応援だ!


しかも、次の日は、都城市の巨人軍キャンプで出店していたウチのお店までFC東京の若いマネージャーさんがわざわざ来てくれて、また、来年のキャンプもと、約束してくれた上に、選手達から感謝の気持ちを、と全選手の直筆サインが寄せ書きされたサッカーボールと、ユニフォームをプレゼントしていただきました!

(前回の記事の写真がそれです)


うわーーー!こりゃ凄い!


これ、テレビの何でも鑑定団で見たことある話や!


スポーツチームの宿泊した宿の料理や接待に喜んだチームメイトがサインの寄せ書きをお店にプレゼントする、その経営者の息子が鑑定団に出演。

後に名を残す名選手の若い頃のサインに高額査定が!

なんて夢のような話。

まさか自分にそんな出来事がおこるとは!


一生の宝物ができました。


ウチの奥さん、

「これからは、サッカーも勉強しなきゃいかんねぇ」

と言ってネットのFC東京の選手名鑑とにらめっこ。


ミーハーである。

息子と一緒に、

「あ!あの時アレ買ってくれた選手、この人や!」

「あの、最後の人、この選手や!」

と、おお盛り上り。

そして.........二人して、


「あああ!!あの通訳のおじさん!!監督さんや!!!!」

Σ(´□` )Σ(゚◇゚;)


えええええええええええええ!!!!


一番エライ人に.......

ソース抜きハンバーガー、「ムリです!」て、断っちゃったよ!!!!

宮崎キッチンカー日記!

FC東京の全選手のサイン入りボールとユニフォーム!!


わたくし柴犬、50年以上住み慣れた高知県を後にして今現在、なぜか宮崎県で夫婦でキッチンカー販売を致しております。
本当に色んな事がありました。おいおいブログに書いていこうと思いますが、キッチンカー経営、半端ではないですよ!


売り上げが千円の日もあれば、8万円の日もあります。去年の11月半ばから始めたので、丸々三ヶ月のキャリアと言うことになります。
今回は、人生最大の大仕事のお話です。



 先月の中頃、所属している

都城フードトラッカーズのリーダーから


「柴犬さん、2月3日に宮崎キャンプ中のFC東京さんの選手、関係者用のご飯作ってみない?」


との要請が!


あの、長友選手のいる、FC東京さん??!!


夫婦でビビりちらしましたよ。
滅多にない経験だろうからと、夫婦会議でやってみることに決定。
いつも出しているメニューくらいしか、出せませんよ、と言うと
それでいい、とのこと。
早速FC東京のマネージャーさんと電話で打ち合わせ。


どうやら練習施設の前にキッチンカーをオープンして、選手達のオーダーを聞き、熱々を手渡しするケータリング方式ということらしい。


全部で70食を越える8万円以上の大仕事です。
メニューは、いつも出している


ご飯に手作りハンバーグをのせ、ハッシュドビーフをたっぷりかけた
““ハンバーグらいす““


ミートソースをあえたパスタにイタリア産のチーズを山盛り削り、雪国の“かまくら“に見立てた
““かまくらボロネーゼ““


アメリカの映画に出てくるような、パスタの上に山のように盛り上るまでソースをかけた
““手作りミートソーススパゲティ““



手作りハンバーグとミートソースをパンに挟んだ


““ミートソースハンバーガー““


の、計4品である。


うう、しかし、日本中の大都市を周り、中には世界中を飛び回っている人もいるだろう、サッカーの一流選手に、普段600円~950円で出している庶民の洋食が
受け入れられるのか?


怖っわ!


しかも、前日まで他の出店もこなしているので、ソースのローテーションなどを考えてないと、商品が確保できなくなる恐れもあるのです。
当日、足りなくなった!では、済まされない!


これは、とんでもない安請け合いをしてしまったのでは??
夫婦で夜も良く眠れなくなりました。


どうして、キャリア三ヶ月の我々にこんな大仕事が
回って来たのかというと、キッチンカー組合の加盟店は多いのですが、大半はクレープやソフトクリーム、チュロスなどのデザート類。
もしくは、唐揚げやたこ焼き、フライドポテトなどの軽食。
どちらもスポーツ選手へのケータリングには、不向きです。
そして、キッチンカー組合のリーダーが
「柴犬さんのところのは、本格的で美味しいよ」と、いつも言ってくださっているので、期待をされての推薦だったようなのです。


うう、凄いプレッシャー!!
前日も、やはり材料が足りなくなっていて夜中に買い出しに走り回りました。


ああ、あした寝坊したらどうしよう!


アミノバイタルトレーニングセンターまでは、車で1時間30分!
渋滞に巻き込まれたらどうしよう!



移動中に、振動でソース鍋をひっくり返したら、どうしよう!


もう、やる前から不安だらけで疲労困憊である。


そして、2月3日当日.........


(次回に続きます)

癌に勝った!しばいぬ家。

うちの奥さん(美人)が胃ガンの手術で胃の殆どを切り取った日から、今日でちょうど五年が経ちました。


検査の結果は、異常無し。

これで一応‘‘完治‘‘ということになるだろう。

こんな嬉しい日はあるか?

「癌のやつめ、ざまあ見ろ!我々の勝ちだ!!」

夫婦で抱き合って喜んだ。


世の中には、癌で苦しむ人は沢山いるので、不謹慎ではあるが、今日だけは言わせて欲しい。


52キロあった体重は38キロまで落ち、貧血やダンピングなどの重い後遺症に苦しみながら今日まで頑張った奥さんを誉めてあげたい。


あと、奥さんを守った自分も誉めてあげたい。謙そんすれば、美しいかもしれないが、自信を持って

「俺が奥さんを守ったぞ!」

と、言いたい。


これからもそうしていきたい。


「病気に勝ってくれて、ありがとう」

「支えてくれて、ありがとう」

一日中、夫婦で同じことばかり言っていた。