キッチンカー夫婦
前回記事にした、鹿児島の初売り。朝5時起きで商品や機材を僕たち夫婦の城である、キッチンカー
””すぷーん号””
に積み込んで、まだ暗いなか、出発である。
田舎町の田んぼの横を走っていると、良く似た風景を思い出す。まだ4.5歳の小学校へ上がる前、お正月に連れていってもらった高知県の母の里。田んぼで走り回ったり、川でカニをつかまえたりして遊んでいたあの頃。体は57歳になったが頭の中は全然変わってない。あっという間の50年
癌を患い、身体が弱った奥さんの「女手一つで私達三人兄弟を育ててくれた、お母さんの住む町で暮らして支えてあげたい」という何十年來の夢を叶え、生まれ故郷宮崎での生活を始めて丸二年である。まさか、人生の終盤戦を九州で車に料理を積み込み売り歩く毎日が待っていたとは!
寒がりの奥さんに、この仕事、ツラくないか?と聞いてみる。
「毎日が文化祭みたいで楽しい」
と、無邪気な返事。
はは、収入は不安定だし、長距離の運転、夏の暑さ、冬の寒さ。
二人とも50も後半に入っていつまでやれるかもわからない、年金や退職金も無いのに
呑気なもんだぜ。
今、シアワセか?と聞いてみる。
「もう、いつ死んでもいいわ」
と、嬉しそうに言う。
死なれては、困るが、いつ死んでもいいほど納得して生きていけるのは羨ましい。
まあ、こっちも似たようなもんだ。この先も夫婦二人で話し合って何でも決めて、自由に生きていければ最高だし。
しかし、スゴい人生だ。我ながら。
僕と同じ位の男の人達は、公務員でも会社員でも、それはもう責任のある地位について、ボーナスや退職金なども沢山貰うのだろう。
僕には、そんなものは、何もない。あるのは、自由だけだ。
そんなことを考えながら。目的地のコンサート会場に到着。
向かいのキッチンカーは、駄菓子屋カフェという名前。隣のテントでウドンを売っている人達と同じチームだという。
駄菓子を沢山詰め込んだ袋を200円で、あと、飲み物を150円~200円位で売っている。同じチームのテントのウドンは400円である。
安いなあ!女の子3人、男の子2人でやってるが
人件費とか、でるんかな?
まだ、十代後半位に見える男の子は
ジャニーズ(今は違うか?)張りの超イケメン!
女子は、髪の毛を赤銅色に染めた子と黒髪長髪の女の子二人と、リーダーのような年長の女性。
この女の子二人は、テレビで歌っていてもおかしくない程の天使のような容姿で、テキパキと仕事の準備をしている。
ただ者ではないと見た。
しかも、全員分のハンバーグライスや、飲み物、オヤツのアンコバターパイまで買っていただいた!
奥さんと一緒に喜んで、お返しにこっちも何か売って貰おうと前に出ていったのだが
いかんせん、安い。。。
5000円近く買って貰っているのに、駄菓子200円、ウドン400円である。。。とりあえずウドンとウインナー串300円を買ったが5000円のお返しには、程遠い。ウドンを10杯も食えるわけも無し。。。奥さんが駄菓子を選んでいると....おや?駄菓子の横に音楽CDが並べてある。
リーダーの女性に、これはなんですか?と聞くと
「ああ、それはあの子達のデビューアルバムです」
何~ーー!やはりただ者ではなかった!!
聞くと、あの天使のような赤銅色の髪の毛の女の子は、自分の娘で、黒髪の女の子と今日は来てないもう一人との三人で、ダンスと音楽のユニット
““OneGIRLS“
[ワンガールズ]
というグループを結成して、CDデビューをしているという。
隣のウドンを売っている男の子達もデビュー済みだとか。どえらい人たちではないか!!
あの、CDは、おいくらですか?
「千円です」
ください。
「え!いいんですか?!!」
サインもお願いします!
女の子達は、喜んでサインをしてくれた。
これは、近い将来この子達、メジャーになってお宝になるかも。
いやーしかし、僕の人生、自由でありきたりではないな、と思っていたが上には上がいるもんだ!
芸能活動をしている娘や友達と一緒にキッチンカーに駄菓子とCDを乗せてあの町、この街売って回っている!!
しかも、我々夫婦とちがって皆若い!
リーダーのお母さんでさえ、僕達より20歳以上若いだろう。
素晴らしい生き方だなあ!未来があるなあ!
大変だろうけど頑張って欲しい。
(^_^)(^_^)(^_^)