喫茶店のマスターのプロレス昔ばなし。

50歳を越えた「マニア」まではいかないプロレスファン(特に馬場全日本)の気楽な昔ばなし。話し相手募集中です。

ジャイアント馬場の大ケガ

前回、前々回と怪我の話が続きましたが

私の大好きなジャイアント馬場選手も長期欠場となる大怪我を試合で負ったことが1回だけあります。


1990年の世界最強タッグ

アンドレ・ザ・ジャイアントと組んでのファンクスとの公式戦で

ドリー・ファンクと縺れ合い

場外に転落したさい、太ももを骨折してしまったのです。



アンドレとの夢のタッグを結成し、連戦連勝



「これは久しぶりの優勝のチャンス!」



と、胸を踊らせていた子供の頃の私の目の前は真っ暗になりました。



「くそー!ドリー!何て事しやがる!!」



ドリーの事も大好きだった私でしたが、この事だけは許せませんでした。


何せ馬場選手は世界最強タッグ優勝がパーになったどころか、三ヶ月の入院、復帰まで183日、しかも復帰してからも、以前の様な動きはできなくなりました。


すっかり"ドリー嫌い"になった私でしたが

ある日ドリーのインタビューを目にすることがありました。

馬場選手の怪我についての質問をうけ



「あの怪我は私のせいではない。私の攻撃パターンの中に、あのムーブがあることは馬場は十分知っていたハズ。あれは馬場のミステイクだ」


と語っていました。


ううっ!確かにロープ際で相手の首を抱え込み、最上段にお尻で飛び乗り回転して二人もろとも場外に転落する攻撃は、ドリーの得意な動きのひとつだった!


ドリーにしてみれば、自分は特別危険な技を仕掛けたわけではない、技を受け損なった馬場の方に非がある、ということでしょう。


これには私も「なるほど!」と納得し、プロとは、こういうものかと感心さえもしてしまいました。


 これが、いわゆる


 "プロは怪我をする方も悪い" 


という状況なのでしょう。


現在のプロレスの

無謀な危険技を掛け合った挙げ句の果ての大怪我とは、意味合いが全くちがいます。



もちろん馬場選手もドリーを非難するようなことは一度もありませんでした。

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